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『夢紬珈琲館へはこちらから 供 再掲


 

「いらっしゃいませ。ようこそ、夢紬珈琲館へ。」

(こんばんは。そこのボックス席でゆったりしたいのですが、ひとりでも大丈夫ですか?)

「もちろんでございます。お客さまのお好きなお席へどうぞ。」

今夜はお若い素敵なお客さまがおひとり。

「いらっしゃいませ。なににいたしましょう?」
(寒くて心まで凍えてしまいそう。失いかけている希望を取り戻すような、そんな温かい飲み物ってあるかしら?)

「そうでございますね。当店の飲物にはお客様おひとりおひとりのお心にぴったりくるように、魔法がかけられております。
当店は珈琲館でございますが、今夜のように凍てつくような寒い夜には・・・・。
特製ロシアンティーはいかがでございましょうか?
お客様にお似合いのメニューかと。」

(それください。)
「かしこまりました。少々お待ちください。」

(ねぇ、マスター、私青ざめて見えるかしら?寂しそうに見える?」
「寂しそうというよりも・・・、なにか抱えていらっしゃるようにお見受けします。」
(そう・・・。)
「お客さまのようにお若くて美しい方に、こちらでしばしお荷物を降ろされて、ごゆっくりしていただけたら、当店もうれしゅうございます。
お待たせいたしました。当店特製のロシアンティーでございます。」

(ああ、いい香りですね。イチゴジャムの香りかしら?)
「はい、私どもでお出しするロシアンティーにはストロベリーではなく、ラズベリーを使用させていただいております。香りともにマイルドな味わいに仕立ててございます。」

(マスター、おいしい!このロシアンティー。すぐに温まる感じがしますね。
ラズベリーのロシアンティー、おいしいです。)

「ありがとうございます。ダージリンに落としてございますブランデーは、コニャックでございます。」
「コニャックは、フランス南西部シャラント川沿いの地域で採れますぶどうを蒸留したブランデーで、サンテミリオン・デ・シャラントという品種でございます。
こちらではレミー・コアントロー社のブランデーを使用してございます。」

(洋酒のことはよくわからないけれど、コニャックでもいろいろあるんですか?)
「はい。サンテ・ミリオン・デ・シャラントはワインには不向きな品種でございますが、ブランデーに関しましては、蒸留後の長期熟成により、素晴らしい味わいに変化いたします。」

「こちらでは、レミー・コアントロー社のブランデーの中でも、円熟した口当たりのふくよかな味わいのブランデーをお入れしてあります。」

(ほかのコニャックはどのようなものがあるの?)
「なにやら、ブランデー談義のようになってまいりましたが・・・。
シャトー・ド・コニャック、クルボアジェ、ポール・ジロー家、ラーセン、マーテル、有名なところでは、カミュやヘネシーというのはお客様もお聞きになったことがおありでしょうか。」

(ああ、聞いたことあります。へ〜、知らなかった。お酒もいろいろあるんですね。そんな素敵なブランデーを使ってるから香りも味わいも深い感じがするのね。)
(なんだか、心の奥のほうでなにかが溶けていくような気がするわ。)

「ありがとうございます。」

(マスター、このBGM不思議な音がするわね。なんの音かしら?ピキ、ピキンて聴こえるけれど。)

「この音は、先ほどお客様が失いかけている、とおっしゃった希望の音でございます。」
(えっ・・・・?)

「厳しい寒さの中で、じっと春の訪れを待つ、つぼみが少しずつ開く音でございます。
たとえば、寒々とした桜並木などで足を止めて枝を見上げますと、その木の枝には希望がたくさんのつぼみをつけて、春を待っております。
そのつぼみたちが花開こうとするときに、このように可愛らしい音をたてます。」

(希望のつぼみ・・・。)
「はい。どんなに寒い冬でも、その先には春の霞が待っております。
このような凍えそうな寒い夜にこそ、希望の音をお客様にお届けしたいと思いまして、本日は希望の音をBGMに。」

(ああ、ほんとに温かくなってきました。
ラズベリー、コニャック、ダージリン。そして、仕上げに希望の音。
今夜このお店に出会えてよかったわ。マスターありがとう。)

「ありがとうございます。お楽しみいただけましたでしょうか。」

(はい。私もうつむかないで、顔を上げて春に向かって歩けるような気がするわ。
希望の可愛い音を聴きながらね。また来ますね。マスター、ごちそうさま。)

「ありがとうございます。またのご来店を心よりお待ちしております。

夢紬珈琲館へはいつでも、こちらから。」










| - | 00:48 | comments(4) | - | |
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お久しぶりPEARさん。
待ってました(=^・^=)

いろいろ想像して読みました。
読む人、読む人に寄ってあてはまると思います。
私達親子(ちぃーと私)は、季節の春が来て欲しいと待ってます。
今日 不思議な夢を見た。またブログに書きます。
| ティアナ | 2013/02/26 12:00 PM |

んもう〜PEARさんたら〜
こんな素適なこと考えながら散歩してたりするの?
わたしなんて、畑の作物みながら
お、この白菜は食べ時だわ〜
今日はお鍋かな?なんてこと考えてる><

まだまだ寒いけど季節の春は絶対くるもんね^^
こころの春はどうかなぁ・・・
| 猫吉之進 | 2013/02/26 3:22 PM |

ティアナさん

いつもありがとうございます!
久しぶりに再掲してみました『夢紬』
しばらく創作ということから遠ざかっているのでそろそろ目を覚まさねばいけませんよねぇ
ちぃーちゃんの夢、不思議ですね
| PEAR | 2013/02/28 2:39 PM |

進ちゃん

呼んでいただいてありがとう!
この『夢紬珈琲館へはこちらから』という作品はシリーズ化、というと大げさだけど何話かのお話を書いていて、これはそのうちの僅辰任
マスターとお客さんとの会話だけで繰り広げられる世界を描いてみました
また取り掛かろうかなと思っているところ^^
確か、1〜11ぐらいまであったかな〜(作者が覚えていないこのいいかげんさ、許しておくれ)
近いうちまたお目にかけますね〜
| PEAR | 2013/02/28 2:51 PM |












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