CALENDER
<< November 2018 >>
SunMonTueWedThuFriSat
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 

SELECTED ENTRIES
ABOUT
CATEGORIES
COMMENTS
TRACKBACKS
LINKS


<< オキナワン タイクーン 3 「夏の足跡」 vol.6 | main | オキナワン タイクーン 3 「夏の足跡」 vol.8 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています





| - | | - | - | |
オキナワン タイクーン 3 「夏の足跡」 vol.7

 




それからどうやってメイを遠く離れたジュンちゃんの家に送り届けるか、会議が重ねられた。

「私がメイに付き添って一緒にその町まで行こうか。」

セスが心配して言った。

「セスは大き過ぎて目立つからダメよ。」

「そうだよ。それにどうやって帰ってくるのさ。」

来たときのように一人で出発し、時間がかかっても家を目指すしかないのかな。

そんなメイの気持ちを察したように、ルリが言った。

「メイ。そんなこと、だれも喜ばないと思うよ。私達には協力してくれる仲間が大勢いるじゃない。みんなで力を合わせればきっとなんとかなるよ。」

最初の冒険で足の自由をほんのちょっとだけ失ったけれど、その代わりにメイは大事なものをたくさん手に入れた。

今度はそれを持って帰らなくっちゃ。ジュンちゃんは待っていてくれるだろうか。

 

病院の待合室では訪れる他の仲間達も加わって、周到な作戦会議が連日重ねられた。メイの再びの冒険が始まろうとしたのは夏に入ってからだった。

 

蝉の声がシャワーのように降り注ぐ暑い日。いよいよ作戦決行の日がやって来た。

 

その日、定期健診を終えたダックスの双子シュガーとヌガーの手引きで、ママの目を盗んだ隙にセスがひょいとメイをくわえて車に乗せた。あとは双子の指示通り、メイが最後部スペースの毛布の中に潜り込む。あっという間の作戦だった。双子のダックスが後部座席に乗せられた。二匹がメイの乗車を確認する。作戦成功。

 

「シュガーったら、いつもおりこうさんなのに逃げたりしちゃだめでしょ。まったく! 」

双子のママがぶつぶつ言いながらドアを閉め、車のキーを回した。

ブルブルルン!エンジン音が響いたそのとき、お父さん先生の病院の待合室からカンクの甲高い声が外まで響いた。

 

「メ〜イ、ファイト〜! 」

メイはそっと顔を出して外をのぞいた。

入口に背筋を伸ばしたセス。メイの指定席の大きな出窓には、ガラス越しに仲間たちがじっと車の中のメイを見つめている。みんなの視線がしっかり結ばれた。小さなメイに仲間たちの心が一つに重なった。

「大丈夫だよ、メイ。ジュンちゃんはきっと見つかる。必ず会えるから。」

(みんな、ありがとう。)

車が角を曲がって見えなくなろうとしたとき、おとなしいセスの遠吠えがメイを追いかけた。

 

ダックスの双子はお隣の、そのまたお隣のお隣の町からお父さん先生の病院に通ってきていた。

メイがそおっと毛布から顔を出して外をのぞいた。遠くに見える線路を走る電車が川を渡った頃、車窓からの景色がなんとなく見慣れた町並みに変わって、双子の家に着いた頃にはもう夕方近くになっていた。ママが荷物を下ろしている隙にメイはそっと車から飛び降りた。

「シュガー、ヌガー、ありがとう。私、行ってくるね。」

「気をつけて、メイ。また会いましょうね。約束よ。」

双子の言うとおり、このあたりにケーキ屋さんは坂の上のオランジュ一軒だけだったから、バニラの匂いを追いかけて坂を上って行けばたどり着く、というのは正解だった。

町並みが夕暮れ色に染まる頃、右足を引きずりながら甘い匂いを頼りにオキナワン タイクーンの裏手にたどり着いた。とぼとぼ歩くメイの足がひんやりした。

物置きの外の隙間で疲れて眠りこんだメイは夢を見た。

 夢の中でジュンちゃんと帆久人が笑っている。コンクリートの匂いがする。どこからかセスの遠吠えが聞こえた。






            

<a href="http://novel.blogmura.com/nove...


 






| - | 11:25 | comments(0) | - | |
スポンサーサイト





| - | 11:25 | - | - | |












ARCHIVES
☆ポチっとおねがいします↓さてさて・・?
にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ
RECOMMEND
OTHERS
SPONSORED