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オキナワン タイクーン 3 「夏の足跡」 vol.9


               


「あの、すみません。ここにもしかして、メイという猫が来ていませんか? 」

謎かけのような不思議な夢に案内されて、帆久人がオランジュを訪ねてきたのは日差しが強くなる昼下がりを回った頃だった。

 

電車を乗り継ぎ、オランジュを探して坂道を上がって来た帆久人は汗だくだった。額にかかる前髪が汗で濡れている。急ぎ足で歩いて来たのだろう。息を切らしていた。

 

まるで帆久人が訪ねてくるのがわかっていたかのように、アイちゃんがニコニコ彼を迎えた。

「いらっしゃいませ、メイちゃんですね。いらしてますよ。」

「え?」

驚いたような表情の帆久人にアイちゃんが言った。

「メイちゃん、お隣のお店で待ってるわよ。なんでも屋なんですよ。」

もっと驚いたような帆久人に、続けてアイちゃんが言った。

「なんでメイちゃんのこと知ってるのって思ってるでしょう。すぐにわかるわよ。」

 

 

パティスリー オランジュとアンティーク&よろずなんでも引き受け屋オキナワン タイクーンは同じ敷地に建っていて、間口の広いアプローチから自由に行き来できる造りになっている。

アイちゃんのオランジュと少し趣が違って、レトロな引き戸の入口から不思議空間のオキナワン タイクーンに案内されて、帆久人はメイと再会した。

店内には古い家具や、黒光りした古い茶箱のようなテーブルや飾棚。あちらこちらに昔風の照明器具や面白そうな雑貨類があふれていた。

 

メイはくるみ色のサイドテーブルの上にちょこんと座っていた。

アイちゃんと一緒に入ってきた帆久人を見るなり、ミャーと声をあげて前足でそばの椅子に飛び降りた。

 

「エム!」

(帆久人くん、やっぱり来てくれた。)

帆久人はメイを抱き上げた。

 

アイちゃんと背の高いオーリーとじいさんが、黙って帆久人とメイを見ている。

 

帆久人がここまで来たいきさつを三人に語ったあと、こう言った。

「ぼくはエム、いえ、メイの飼い主さんに謝らなくちゃいけないんです。ケガが治ったら飼い主さんを探すってお父さんにも約束したのに。二年もその約束を守れなかった。そしたらメイがいなくなっちゃって・・。でも夕べメイの夢を見て・・。」

 

「そうだったの。君がこの子を助けたんですね。きっとメイも君に会いたかったんだね。実は裏の倉庫にこの子が迷い込んできてね。首輪をつけているし、ちょっと足も引きずるようだから、しばらくうちで預かろうということになって。このじいさんの出番になってね・・。」

 流暢な日本語でオーリーが言った。

 (おじいさんの出番?)

  
 じいさんが笑顔で言った。

「わし、ここらの町内の猫友でのぅ。どうもここらを行き来しておる家猫さんではないようでの。」

じいさんの言葉に帆久人はびっくりしたようだったが、先ほどのアイちゃんの言葉をすっと理解し、すぐにじいさんの不思議な雰囲気に打ち解けた。




 





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