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オキナワン タイクーン 3 「夏の足跡」 vol.11


                             


ジュンちゃんが急いで二階から下りてきた。

帆久人と同じ年頃だろうか、ジュンちゃんはくりっとした瞳のとても可愛い女の子だった。

 

メイを見つけるなり言葉にならない声で(メイ! )と叫び、ぎゅっとメイを抱きしめた。

二年。メイと離れていた長かった空白の時間を取り戻すように、メイを抱きしめるとジュンちゃんの目から涙があふれ出した。

メイはミャーと甘えて体を伸ばし、ジュンちゃんの頬に伝わる涙をなめた。ジュンちゃんの指先が静かにメイに語り始めるのを、四人は黙って見ていた。

 

ジュンちゃんは耳が不自由な女の子だった。

 

(メイ、その足どうしたの? )

メイの足の異変に気がついたジュンちゃんが大きく目を見開いた。

 

(きっと私のせいなんだね。メイごめんね。)
 

 

指先でメイに謝るジュンちゃんに今度は帆久人が語りかけた。

「あなたのせいじゃないよ。長い間メイの飼い主さんを探さなかったぼくが悪かったんだよ。ごめんなさい。メイの足はちょっとだけ不自由になってしまったけれど、メイはとても元気です。長い間飼い主さんを探せなくて、本当にごめんなさい。」

 

ジュンちゃんが首をふった。

 

(いいえ、メイを助けてくれてほんとにありがとう。悪いのは私なの・・・。)

 ジュンちゃんは指先から言葉を紡ぎ出す前に、自分の気持ちを整理するようにひとつ大きく深呼吸した。

(私はあの日、メイに自分のイライラをぶつけてしまったの。「メイなんかどこも悪くないから、どこかが不自由だということがわからないのよ!」って。ひどいことを言ってしまったの。)

みんな静かにジュンちゃんの指が動くのを見ていた。

(メイがいなくなってあちこちずいぶん探したけれど全然行方がわからなくて、あのときの私の言葉がきっとメイを傷つけてしまったんだとずっと後悔してたの。)

 

(私は制服を着るようになって、新しい友達もできた。でもいつもの場所にメイだけがいない。どこを探してもメイの姿がない。いつまでたってもメイのいない風景に慣れなくて、心って悲しいんじゃない、痛いんだなってわかった。)

(メイ、ごめんね。でもメイは帰ってきてくれた。私を忘れないでいてくれた。本当にうれしい。)

 

不思議なことに、はっきりとジュンちゃんの声がみんなの耳に届いた。

 

(メイは帆久人くんと出会って、うちに帰ってくるためにこんなにいい人たちとも出会って幸せだったんですね。よかった。)

(おかえりなさいが言えるのってこんなにうれしいことなんだね。無事でいてくれてよかった。ほんとよ、メイ。)

 

不思議はまだ続いた。




                                     vol.12 へつづく












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